日本専門店協会は「ささえあう 働く時間プロジェクト」に賛同します

2021年05月10日

日本専門店協会は 新静岡cenovaの取り組みに賛同します

 

コロナ禍の一年で人々の暮らしや購買行動は大きく変化し、生活時間を大切にしようとワークライフバランスへの関心も飛躍的に上昇しました。しかし、私たち専門店で働く者にとっては商業施設の営業が長時間であることから改善への道は厳しい状況です。

 

この度、㈱アダストリア(福田三千男会長)と新静岡cenova(川井敏行会長)が取り組みを始められる「ささえあう 働く時間プロジェクト」は、専門店で働く人たちの仕事時間環境を改善し、商業施設・地域社会がさらに活性化するための第一歩となり得るものとして、以下の理由からその取り組みに賛同するものです。

 

【1】フレックスタイム制度によるコア時間の設定で、ショップが営業時間を選択できる。

最短時間を採用する場合、交代制のないワンシフトでの営業が可能になり、一日の販売員の層が厚くなる。またベテラン販売員と中堅・新人販売員が売場で同一時間を共有することで、現場教育(OJT)が促進され、接客・販売の質向上が期待できる。

 

 

【2】パワーチャージ休暇制度によりショップごとの休業日設定が可能になる。

館の店休日とショップ店休日を組み合わせることにより、店舗販売員シフトが効率的になり販売体制が充実し、人手不足のなかで困難を極める有給休暇取得がスムーズになるとともに、【1】による深夜帰宅解消とあわせて販売員の生活時間が充実することで一人ひとりの仕事への意欲向上が期待できる。また食品製造販売店舗では、衛生環境向上のための定期メンテナンス時間が確保できる。

 

 

【3】両制度が選択制となっており、ショップの特性等で選択・組み合せが可能。

営業時間の見直しはすでに各地で取り組みが始まっているが、ショップの特性によって参加できない、または全体の足並みがそろわず実施ができないケースもある。今回の取り組みは選択制であることからショップの特性にあわせた対応が可能で、また同条件商業施設での導入の可能性も広がる。

 

 

【4】新たな取り組みが、客でもある従業員のESを高め周辺地域の活性化につながる。

テナント従業員の働く環境が整い仕事への意欲が増すことで接客・販売の質が上がり、また販売体制が充実することで来店客へのサービス向上が実現できる。さらに、客でもある従業員のES向上で商業施設・地域社会が活性化することにより、これまで敬遠されてきた商業施設での就労意欲が喚起され、人手不足の解消につながることが期待できる。

 

生活の豊かさの重要性に気づいた多くの人たちが安心して健康的に働ける環境を作り、次世代に提示することで小売業における人手不足を解消し、館だけでなく地域社会を活性化するための第一歩として、多くの商業施設でこのような取り組みが始まることを、日本専門店協会として期待します。

 

『ささえあう 働く時間プロジェクト』詳細はこちらから